東京湾で座礁した米軍の空母から、一羽の鳥が逃げた。
そのことで多くの兵士が死ぬ。
さらに東京の街中にやって来たその鳥は、空前の死者を出す。
その鳥とは、その眼で見られた者はすべて死んでしまうという一羽の恐ろしいフクロウだった。
かつて猟師仲間とともに、そのフクロウを一度は撃ち落とした鵜平は、米軍の要請を受けて、再び銃を取る――!
邪眼は月輪に飛ぶ

東京湾で座礁した米軍の空母から、一羽の鳥が逃げた。
そのことで多くの兵士が死ぬ。
さらに東京の街中にやって来たその鳥は、空前の死者を出す。
その鳥とは、その眼で見られた者はすべて死んでしまうという一羽の恐ろしいフクロウだった。
かつて猟師仲間とともに、そのフクロウを一度は撃ち落とした鵜平は、米軍の要請を受けて、再び銃を取る――!
コメント
でもフヂタ節は掠れるどころかますます濃くなっておられる… いっそこのまま青年誌に移行しちゃいませんかフヂタ先生(期待に満ちたマナザシで)
藤田和日郎ファンなら読むべきだし、そうでなくても読むといいと思う。
双亡亭然り「どうやって勝つんだこんなの」って敵が出てきて、絶体絶命の状況を命懸けでどうにかするのが本当にアツい。
おどろおどろしい敵や設定、伝奇っぽい呪術と交錯する近代兵器、そしてちょっぴりお色気があって、藤田和日郎ここにあり!
という感じ。
一気に読むと信頼関係を築くのが少し早いかなという気はしなくもないけど、そんな小さなことが気にならないくらい、期待以上にきっちり面白かった。
1巻完結というのも読みやすいし、フクロウと鵜平の対比構造があり、良く錬られたドラマがあり、それぞれの抱えた葛藤や悩みもまとめて大団円へと昇華していて、本当にすっきりと読み終えることのできる一冊だった。
敵である梟にもちゃんと敬意を払ってらっしゃる先生が素敵。
宮崎監督のようにおじいちゃんや老人をかっこよく描ける人ってすごいと思います!
続編でてくれないかしらvv
先日メッセで「これ欲しい」とS君に話したら「もう出てますよ、買いました、それ」とあっさり言われ、
慌てて本屋に走りました…。
藤田先生の作品は「うしおととら」から大好きなんですが、これも同じような系統、と言えるかもしれません。
ただ、うしとらと決定的に違うのはこの作品が短編、ということですね。
「うしおととら」いいよー!
と人に勧めたくともあの長編を読んでもらうのは気がひけますが、
この短編は藤田先生の世界観だとかその作風を知ってもらう入門編としては
とてもいい、と思います。
よくぞ1巻でまとめたもんだ。
人と動物のつながりって大切ってことか。
自分は動物苦手だけど・・・
「赤ちゃんになりたかった」白面のように藤田作品の化け物にはどこか人間らしい部分があって、「人間と大した違いはない」という鵜平の言葉に作者の想いが込められている気がした。
だから藤田作品の敵の散りざまには言葉にできない切なさがある。
やはり先生の作品はおもしろい。
本作品でも魅力的な人物・妖怪(?)が登場している。
妖怪の話が大好きだ!
今まで「梟=某魔法使いの伝書梟」という、何というか可愛らしいイメージがあったのが、この話で覆された。
が、決して「怖い」と言ったイメージに変わってしまった、という訳では無いので。
念のため。
ストーリーにもどんどん引き込まれていき、一緒にニヤリとし、一緒にホロリと泣かされてしまった。
全一巻というのは初なのでは?
藤田さんの作品はとってもスピード感があり、一気に読んでしまいます。
殺●シーンはグロいけど・・・。
パニック映画のような滑り出しを魅せる物語に、不器用な男の半生を織り交ぜた骨太の一作。
藤田和日郎マンガを読みたいが、長編を読むにはキツイという方にオススメ。
いまどきの流行みたいなキラキラや花は無くとも心がある
ウフフアハハな若さは無いけど熱いエネルギーがある
いつだって何か、芯のしっかりとしたすごく大事な温かいものがある
痛みも悲しみも孤独も、夢や願いが叶わないすれ違いもあるけど、報われる喜びを大事な人への気持ちを、人として持っていたい心をちゃんと描いてくれる。
それをこの1冊で満喫できるってのは、すごいことじゃないかい!
ちなみに主役はスゲエ猟師のじーさまです。
1冊完結とはいえ、ちょっとした漫画5冊読んだようなくらいの厚みがあって、読み応えありまくり。
一巻完結だからこそ作者の力量を存分に感じられる作品だと思いました。
手軽でありながら濃厚に楽しめる一冊です。
同じく一巻完結のスプリンガルドも好きです。
そのフクロウが?見た?生き物は、みな死んでしまった。
その地上最強ではないかというフクロウを仕留めるべく、アメリカ軍は1人の日本人に会いに行く。
13年前、その日本人だけがフクロウに怪我を負わせることができた。
その名は、鵜平。
老いた猟師であった。
今度こそ仕留めることができるのか・・・ハラハラしながら、一気に読んでしまいました。
この本はほんとに一品!
何度でも読める
何度読んでも飽きないところがすごいです。
邪眼の梟・・・
見られたものは「死」
その邪眼の梟に付けられた名は【ミネルヴァ】
人類は 見られただけで死んでしまう梟とどう戦うのか!
【全1巻】
説明と感じさせず人物の背景、立場、矜恃を物語に織り込んでいく組立は流石ベテランの力量でした。
鵜平の不器用な愛に子を持つ親として思い入れるも良し、輪の境遇を甘んじるのではなく受け入れ強く生きる姿に惹かれるも良し、はたまたマイケルの漢気とケビンの悔恨から立ち上がる矜恃に惚れるも良しの娯楽作品です。
個人的にはミネルバの孤独と悲哀についても白面の者の様に深堀して欲しかったですが単巻構成なので致し方ない所でしょうか。
好きな登場人物に思い入れ一気にラストシーンへ疾走し、最後にこの魅力的なキャラクター達と別れるのが淋しいと思わせる素敵な作品です。
マタギのじいさまが主人公ですが、もうホントたまらん。
なんでこの人の描くじいさまはこうも猛烈にカッコイイんだ。
2007年5月2日初版発行 524円+税
さて。
藤田和日郎である。
その著者の名前を見ただけで、期待に体が震えるような。
僕にとっては、そんな漫画家なのである。
そして、この作品。
「邪眼は月輪に飛ぶ」。
主人公は、老人。
もっとはっきり言うと、爺さんなのである。
それがまた、格好いい!
のである。
著者の他の作品でも、やはり老人が主人公の短編があるが、
それよりも正直に言って格好いい。
#「藤田和日郎短編集 暁の歌」収録『瞬撃の虚空』
主人公は鵜平(うへい)。
とある山村の、更に山中に隠棲する老猟師である。
その鵜平を中心に、鵜平の娘 輪(りん)。
#その名前も、象徴的である。
文字通り輪は、鵜平と俗世間を
繋ぐ輪であり、これから登場する他の主人公たちと鵜平を
繋ぐ輪でもあるのだ。
アメリカ中央情報局(CIA)のケビン。
そして、最後にアメリカ陸軍特殊部隊(デルタフォース)の
マイケル・リード准尉。
この四人に共通するものは、皆、近親者、あるいは仲間の死を
経験していることであり、しかもその死に自分が何らかの責任を
持っていると感じ、悩んでいることである。
唯一、輪だけが責任というよりも、喪失感のみを抱えているが。
が、その輪も、巫女という立場上、死は常に身近に感じる存在
であり、結局彼らは常に身辺に死の臭いを(意識せずとも)
纏っている。
そして、この物語のもう一人の、そして究極の主人公がミネルヴァ。
勿論その名前は人間が勝手に呼称したものであり、奴が本当は
何なのか、どこから生まれてきたのか? 何をしようとしている
のかは、誰にも判らない。
ただ、判っていることは、ミネルヴァの目で見られたものは、
必ず死ぬ、ということのみである。
#本作品のタイトルの邪眼は、ここに由来する。
そうした妖かしの存在である梟のミネルヴァを巡って、人間側の
四人の思いが交錯していく。
この物語には、大きく二つの僕を惹きつけて止まない魅力がある。
まず一つは、ミネルヴァ。
奴を、単なる化け物に貶めず、自然界に生きとし生ける生物の
一つ、というよりも、命あるもの全ての業を背負った生き物と
して描いているところが、まず凄い。
人によらず、何者も他者と本質的に分かり合えるということは
出来ない。
共感、愛情。
そうした思いで、相手を包む、あるいはシンクロ
することは合っても、それがどこまで本当に相手と通じ合えて
いるのか。
実は、判ったつもりでいるだけで、本当は全く異なる思いが
両者にはあるのではないのか?
特に、知性が他の生き物よりも発達した人間にとっては、
それが文字通り障壁となってしまう。
ニュータイプならぬ只の人にとっては、言い切ってしまえば
日々の暮らしは絶対的な孤独の中にあって、擬似コミュニケー
ションのみを他者との関係の拠り所として生きている、とも
言えるのだ。
#勿論、だからこそ、他者と分かり合おうとする思いは愛おしく、
そこに紡ぎ出される言葉は美しく、心に響く、とも言える
のであるが。
そして、その状況を極端にまで煮詰めた存在が、決して他者と
交わることを許されないミネルヴァなのだ、と思う。
奴は、どれほど孤独を感じ、仲間を欲していても、適うことは
ない。
なぜなら、奴が見つめた生き物は、すべからく死んでしまうの
だから。
それは、さながら触れたものを全て黄金に変えてしまう、ミダス
王の如き孤独である。
そんなミネルヴァが、最後に見つけたもの。
それは、石で出来た梟の飾り物。
偶然にも、奴と同じ大きさ、同じ顔を持つそれ、しかもそれは、
奴が見ても息絶えることなく、立ち続けるのだ。
それを見て、ミネルヴァがどれほどの喜びを感じたのか。
そのときの奴の心の振幅は、いかばかりのものだっただろう。
が、それは所詮、石。
動くこともなく、永劫に立ち尽くすのみ。
そんな石に縋らなければならなかったミネルヴァの心中を思うとき、
その孤独の深淵は想像を絶するものがある…。
次は、人間側の四人である。
この四人は、それぞれが身近な人の死を、そして更に多くの死を常に
纏っていることは既に書いた。
輪を除く三人は、ミネルヴァとの戦いの中で、実は自分こそが他者に
とってのミネルヴァだったと思い至る。
否、常に心の中にその思いは有り、ずっと彼らを鬱屈とさせていた
ものが、顕在化した、といった方がより適切だろう。
唯一、鵜平のみが以前からそのことを明晰に自覚しており、だからこそ
彼は、人里を離れた山中での暮らしを選んでいた。
もうこれ以上、自分が他者を死に追いやることが無いように。
それが、自分の娘(=輪)に誤解され続けることとなろうとも。
この鵜平の孤独の深淵もまた、深い。
しかも、それはミネルヴァと異なり、自ら選んだ孤独であるが故、
ある意味ミネルヴァよりも深い淵の底に、鵜平は立っている。
だが、そのことを是とし、誰にも胸中を語らずに立ち続ける彼の
矜持の格好よさ。
これが、この作品に僕が魅力を感じる二つ目である。
結局、それが人であれ、動物であれ、他者の死に対する畏敬の念を
もたぬ者達を集めたミネルヴァ掃討作戦はことごとく失敗する。
最後に、鵜平がミネルヴァに立ち向かったのは、別に壊滅的な打撃を
受けた東京のためでも、ましてや人類のためでもない。
自分の銃を笑わなかった唯一のアメリカ人、マイクのため。
そして何より、自分の娘 輪のため。
鵜平は、自分が大切だと実感できる存在のために、その命を賭けて
ミネルヴァと対峙する。
なぜ、あらゆるものを死に至らしめるミネルヴァの邪眼をして尚、
鵜平を殺すには至らしめなかったのか。
それは、鵜平には、常に自分が死をもたらす相手に対して、畏敬の
念を抱き、接する心構えが有ったこと。
そして極めつけは、鵜平には犬がいたこと。
この犬とは、単に狩のパートナーとしての犬、という意味ではない。
行動を共にし、辛苦を分かち合い、思いを同じくすることの出来る
仲間がいた、ということである。
それが、それこそが、鵜平と、常にその生涯が絶対弧の中にいた
ミネルヴァとの決定的な違いであり、鵜平に勝利をもたらした
ものなのだ。
#実際に、どのようにして鵜平が勝利するに至ったのかは、是非
ご自分の目で本作を読んで見て下さい!
必ず、お時間を損させはしません。
二人の対局の最後。
鵜平が乗った戦闘機ハリアーと正面から向き合ったミネルヴァは、
ハリアーのエアインテーク(空気取り入れ口)に、二つの巨大な
眼を見る。
超自然の力を持つ巫女・輪は、その末期のミネルヴァの気持ちと
シンクロし、自分へ襲い掛かるその眼に対するミネルヴァの恐怖を
感じることとなる。
だが僕は…。
作中には描かれてはいないが、そこにもしかしたら、ミネルヴァの
救いがあったのでは?とも思っている。
なぜなら、ミネルヴァは、そこで初めて自分と向き合っても命の
尽きることの無いものと向き合うことが出来、絶対的孤独から
解放されたのだから。
そうでなければ、ミネルヴァの人生が切な過ぎるではないか…?
最後に。
このように、僕にとっては魅力の尽きない本作品であるが、
それでも不満が無いことは無い。
例えば、狩のパートナーとしての犬の扱い。
もう少し、この犬をエピソードに絡ましてくれても良かったのでは?
と思っている。
もっとも、それでなくても予定の作画枚数を大幅に超過してしまい、
短期集中連載の回数を2回もオーバーしてしまったらしいから、
ひょっとしたら泣く泣くカットされてしまったのかも知れない。
あるいは、最後のシーンであった、次のエピソードへの引き。
これから展開される話の中で、また徐々に犬との話、鵜平の妻である
千恵子との出会いや日々の暮らし。
マイクやケビンの癒しと解放の
エピソード等も、徐々に語られると嬉しいなぁ。
もっとも、現在は「月光条例」に取り掛かったばかりの藤田先生。
ほぼ間違いなく連載が長期化する先生のこと。
しかも、本作品が描かれたのは、先の長編連載が終わった、いわば
先生の充電期間に描かれたものであるため、本作品の続編に出合える
のは、単純に考えれば後数年は先になるだろう。
今はただ、嘆息し、指折りしながら、そのときを待つのみである。
(付記1)
それにしても、鵜平。
彼のシルエットは、まるっきりパンタローネである(笑)。
思えばパンタローネも、シニカルで冷えた心を抱きながら、最後に
解放され、月輪のような笑顔を浮かべて逝った男であった。
合掌。
しかし、ミネルヴァも、悲惨なほど可哀想ですね。
だって、そう生まれついただけなんですから。
だからこそ、ミネルヴァを撃つことができるのは、そのことを理解しているウヘイだけだったのだろうと思います。
なんか、小学生ぐらいの感想のようだな。
いつもか。
雑誌で読んだときはさすが藤田先生!
と思ったな~。
最近、ひさびさにうしとら読み返したのもあったしね。
青年誌でもいけるんじゃないか。
1巻完結ではあるけれど、十分な読み応え。
コンパクトながらも中身はドロリと濃い作品。
その眼で見られたら死ぬ、と言われているフクロウと、それを退治しようとするいろいろな人たちが絡んでくるのですが、キャラクターたちの個性もうまいこと生かされているし、非常にヨカです。
装丁の黄色と黒も良いなー。
短編ながら、圧倒される内容でした。
イギリスの毒ツノを持つ怪物の話も読みたいです。
この作者の長編漫画も読んでみようかな。
かっこよくて胸躍って、切なくって悲しい。
久々にこんなにのめり込んだなと思いました。
少年漫画界に藤田和日郎が居て本当良かった!
青年漫画でも普通にやっていけると思いますが、その情熱、その泥臭さ、その愚直さは少年漫画界で末永く発揮して欲しいものです。
ウヘイが輪にはめっぽう弱い所が善い。
第一話を本誌で流し読みしただけで、強烈な設定が頭に焼き付いて離れなかった。
久しぶりにアツい漫画を読んだ気がします。
こんな相手といったいどう戦うんだろう・・・と、ページをめくるごとにワクワクしました。
宿敵ミネルヴァとの戦いは恐ろしくもあり、哀しくもあるのですが、何故か清々しい読後感。
基本、シリアスでダークな感じなのですが、ギャグも所々含まれてるあたり安心して読めました。
敵を含めて全てのキャラクターに愛が篭っている!
相変わらずのジュビロ節。
熱くて濃い一冊です。
単行本一冊分の短さとは言え、藤田先生節は少しも衰えません。
いつもながら、世を襲う脅威が本当に脅威すぎて怖すぎる。
ゾナハ病と同じくらい怖い梟!
その眼で見つめられた者は皆死ぬ…恐ろしい邪眼を持つフクロウ「ミネルヴァ」。
野に放たれたミネルヴァを仕留められる者はいるのか…
手に負えないものなのに、支配下において切り札にしたがるのが人間の愚かさなんだなー。
職場、本院の方にはフクロウ像があるらしいけど、ミネルヴァが棲みついたら困るな。
終わり方もいいしね。
偏屈でもあんな感じに生きたいもんだ。
一冊でよくまとまった話の構成!
同作者の他の作品も読みたくなる!
『うしおととら』に比べて
と比べられる比べること可な後続作であると看做せるのが残念
全部オススメ!
迫力ある画がカッコイイです。
このひとはほんとストーリー展開が上手だなあと思う一冊
何故か。
からくりサーカスもうしおととらも長過ぎて読んだ事なかったんですけど、この一冊に見事に射抜かれました。
おじちゃん強ぇ!
ふくろう怖ぇ!
最高の一言
10年以上前の作品とは思えないほど、いつ読んでもおもしろい!
藤田節を存分に味わえるいい作品です。
この人の構成力と、迫力が好きです。
ふくろうが「つがいすら殺してしまう」というのが寂しくて仕方なかった。
名作短編
面白いのはもちろんだが1冊で完結してるため読みやすい
途中出てくるスナイパー達の紹介シーンには笑ってしまった
こいつら絶対死ぬじゃないですかー
少年マンガの登場人物がそのまま大人に置き変わったみたいで、素直に読めています。
今回の敵はひとにらみでどんな生き物も殺してしまう××××だった!
この設定にまず度肝をぬかれ、次いで息もつかせぬ展開に固唾を飲み、決着にギクリとし……。
やっぱりすっげえストーリーテラーだなあこのヒト!
実に良い。
一冊ずっと熱いテンションのまま、手に汗握りながら読めます。
お陰で本がじっとり☆
嫌いではないし、グッとくるシーンもあり。
邪眼が最期にまみえるシーンはぞくっとしたな。
説教くさいわけじゃないんだけど、投げかけてくるテーマが
ど真ん中の直球ストレート。
重く沈む球です。
ミネルヴァの在り様に涙、涙。
文句なし★5
なおかつ熱い。
登場人物一人ひとりが秘めた情熱を持っていて熱いので凄く応援したくなる。
いつもの藤田節。
『からくり』よりも『うしとら』に気持ちが近いかもしれません。
アツイ展開に息を呑み一気に読み切る。
すごく良い。
“ミネルヴァに見られたものは皆死ぬ”
あのフクロウはこの漫画の子だったのか!
(◎,◎)
ミネルヴァが可愛すぎる・・・や、すごい顔してますけど、見慣れると可愛いとか思っちゃう・・・のは僕だけではないはず・・・ たぶん・・・
1冊とは思えないボリュームすばらしいです。
「うしおととら」「からくりサーカス」が知られる藤田和日郎先生の描く、珍しく1巻のみで完結の作品(その気になればシリーズ化できそうではある)。
その目で見られたものはすべて死んでしまうという1羽の恐ろしいフクロウが、東京湾で座礁した米軍空母から逃げ出した。
そのフクロウ、コードネーム「ミネルヴァ」は都内を飛翔し、空前絶後の死者を出す。
かつてそのフクロウを一度は撃ち落とした漁師・鵜平は、米軍の要請を受けて銃をとるが…。
作品としての分厚さ、迫力は「白鯨」や「老人と海」「羆嵐」といった作品(どれも小説だけど)に劣らないすさまじさ。
すべてを捨ててフクロウに挑む者たちの戦いは、漫画らしい荒唐無稽さでありながら、リアルです。
そしてまた、「ミネルヴァ」もまた、凶悪なだけの敵キャラではないところが良いですね。
読む人を選ぶクセのある画なれど、一読してほしい怪作。
主人公は仙人と呼ばれる猟師。
見たもの全て殺す邪眼をもつフクロウを討ち取ろうとして元妻を失う。
そのフクロウは米国に輸送され生物兵器「ミネルヴァ」として捕獲されるが、敵国へ送り込む途中で逃げ出し日本に戻ってくる。
70歳の老人が主人公なんですが、すごいカッコいい。
タフだけど不器用。
義理の娘の輪の言うことしか聞かない。
邪眼のフクロウもただの化け物としてではない側面を持っていて最終決戦場面で泣いた。
喫茶店で読んでいたので不審者みたいになった。
己を殺し他者を救おうとする男の強さはスプリンガルドと似ている。
でもまた違った良さのある話でした。
読み返しても泣いちゃう。
色々な人物が、対になる状況で関わりあってるお話。
藤田和日郎はやっぱりうしとらが良かったので、冒頭の昔話風導入と邪悪な生き物がフクロウというチョイスで買った。
でも内容は案外現代的でアメリカ軍とか出てくる辺りが藤田っぽくなかった。
でもまぁうしとらも終わったことだし、そりゃいつまでも妖怪日本じゃなぁ。
寅さんジレンマ。
ふりがなは月輪(がちりん)。
『うしおととら』『からくりサーカス』に続く短期連載、一巻七話。
見るだけで生物を殺す邪眼のフクロウと老マタギの戦い。
随所に溢れる『うしおととら』を髣髴とさせる藤田節。
漲って当然。
目が正面にあるフクロウは人間っぽいなと改めて思いました。
「うしおととら」「からくりサーカス」「月光条例」と長編イメージが強い藤田氏の一巻本だが、藤田氏のエッセンスがギュッと濃縮されたストーリーが展開して、読み応えあり。
果たして、<邪眼>はフクロウなのか人なのか。
<邪眼>の謎や鵜平のその後なども読みたい気になった。
藤田作品初登録。
藤田作品が好きで購入しました。
1冊完結ですっきり終ります。
登場人物が全員かっこよかったです。
藤田作品でなぜこの作品を一番に登録したかというと、
貸したまま返ってこず、手元にないからです。
。
。
誰に貸したかも忘れてしまいました。
買いなおすか。
見るもの全てを殺してしまう梟ミネルヴァを狩ることになった年老いた猟師さんとその娘の巫女と二人の米国人のお話。
過去にミネルヴァを殺し損ねた猟師さんのその際犠牲になった奥さんへの愛が深くて泣ける。
そのミネルヴァちゃんも悲しい生き方をしている訳なのですが。
最後の最後に羽ばたいていったあのシルエットが忘れられない。
藤田和日郎は話広げるのも畳むのも上手いと思いますが、小さくまとめるのは苦手なのかなと。
1冊で長編漫画を読んだ満足感を得られる作品は素晴らしいと思います
こうゆう漫画がもっと増えればいいのに。
藤田先生の作品は登場人物たちほど、作品のメッセージ性がストレートではないところがまた大人っぽくてステキです 「何が言いたいかは少し考えてみて下さい」っていうような感じ
相変わらずカッコよいなあ*(デザイナーさんの腕なのか?)
初老の鵜平がミネルヴァちゃん【ふくろう】を米兵たちと一緒にやっつける話です。
ミネルヴァが凶悪に怖いです。
見るだけで殺します。
こりゃ確かに見られたら殺されるわ。
また書きにきます。
カッコよい登場人物がいっぱい出てくるよ。
ミネルヴァが本当に恐ろしい。
そして本当に哀しい。
短い中に藤田和日郎の最大瞬間風速を詰め込んだような作品です!
目を見ただけで生き物を殺す梟と老いた猟師の戦いって設定がすごくいい!
老人が主人公なんですけどかっこいいです。
クライマックスの迫力は流石ですね!
説教くさいわけじゃないんだけど、投げかけてくるテーマが
ど真ん中の直球ストレート。
重く沈む球です。
ミネルヴァの在り様に涙、涙。
文句なし★5
短い中に藤田和日郎の最大瞬間風速を詰め込んだような作品です!
目を見ただけで生き物を殺す梟と老いた猟師の戦いって設定がすごくいい!
老人が主人公なんですけどかっこいいです。
クライマックスの迫力は流石ですね!
一巻完結だからこそ作者の力量を存分に感じられる作品だと思いました。
手軽でありながら濃厚に楽しめる一冊です。
同じく一巻完結のスプリンガルドも好きです。
見るもの全てを殺してしまう梟ミネルヴァを狩ることになった年老いた猟師さんとその娘の巫女と二人の米国人のお話。
過去にミネルヴァを殺し損ねた猟師さんのその際犠牲になった奥さんへの愛が深くて泣ける。
そのミネルヴァちゃんも悲しい生き方をしている訳なのですが。
最後の最後に羽ばたいていったあのシルエットが忘れられない。
実に良い。
一冊ずっと熱いテンションのまま、手に汗握りながら読めます。
お陰で本がじっとり☆
サンデーでは結構長々と連載されていたためか、最後は飽きてしまうことが多かったんです。
この作品は単行本1巻ですが、これにぎっしり詰まっている感じで読後はものすごい疲労感と達成感で満たされました。
妖怪を描いたら藤田先生の右に出るものはいません。
絶対おすすめの作品です。
最高の一言
10年以上前の作品とは思えないほど、いつ読んでもおもしろい!
藤田節を存分に味わえるいい作品です。
妖怪の話が大好きだ!
今まで「梟=某魔法使いの伝書梟」という、何というか可愛らしいイメージがあったのが、この話で覆された。
が、決して「怖い」と言ったイメージに変わってしまった、という訳では無いので。
念のため。
ストーリーにもどんどん引き込まれていき、一緒にニヤリとし、一緒にホロリと泣かされてしまった。
雑誌で読んだときはさすが藤田先生!
と思ったな~。
最近、ひさびさにうしとら読み返したのもあったしね。
青年誌でもいけるんじゃないか。
そのフクロウが?見た?生き物は、みな死んでしまった。
その地上最強ではないかというフクロウを仕留めるべく、アメリカ軍は1人の日本人に会いに行く。
13年前、その日本人だけがフクロウに怪我を負わせることができた。
その名は、鵜平。
老いた猟師であった。
今度こそ仕留めることができるのか・・・ハラハラしながら、一気に読んでしまいました。
嫌いではないし、グッとくるシーンもあり。
邪眼が最期にまみえるシーンはぞくっとしたな。
ミネルヴァが本当に恐ろしい。
そして本当に哀しい。
アツイ展開に息を呑み一気に読み切る。
すごく良い。
終わり方もいいしね。
偏屈でもあんな感じに生きたいもんだ。
しかしテンポが良くて引き込まれる。
面白かった。
相変わらずカッコよいなあ*(デザイナーさんの腕なのか?)
初老の鵜平がミネルヴァちゃん【ふくろう】を米兵たちと一緒にやっつける話です。
ミネルヴァが凶悪に怖いです。
見るだけで殺します。
こりゃ確かに見られたら殺されるわ。
また書きにきます。
カッコよい登場人物がいっぱい出てくるよ。
今回の敵はひとにらみでどんな生き物も殺してしまう××××だった!
この設定にまず度肝をぬかれ、次いで息もつかせぬ展開に固唾を飲み、決着にギクリとし……。
やっぱりすっげえストーリーテラーだなあこのヒト!
イギリスの毒ツノを持つ怪物の話も読みたいです。
この作者の長編漫画も読んでみようかな。
2007年5月2日初版発行 524円+税
さて。
藤田和日郎である。
その著者の名前を見ただけで、期待に体が震えるような。
僕にとっては、そんな漫画家なのである。
そして、この作品。
「邪眼は月輪に飛ぶ」。
主人公は、老人。
もっとはっきり言うと、爺さんなのである。
それがまた、格好いい!
のである。
著者の他の作品でも、やはり老人が主人公の短編があるが、
それよりも正直に言って格好いい。
#「藤田和日郎短編集 暁の歌」収録『瞬撃の虚空』
主人公は鵜平(うへい)。
とある山村の、更に山中に隠棲する老猟師である。
その鵜平を中心に、鵜平の娘 輪(りん)。
#その名前も、象徴的である。
文字通り輪は、鵜平と俗世間を
繋ぐ輪であり、これから登場する他の主人公たちと鵜平を
繋ぐ輪でもあるのだ。
アメリカ中央情報局(CIA)のケビン。
そして、最後にアメリカ陸軍特殊部隊(デルタフォース)の
マイケル・リード准尉。
この四人に共通するものは、皆、近親者、あるいは仲間の死を
経験していることであり、しかもその死に自分が何らかの責任を
持っていると感じ、悩んでいることである。
唯一、輪だけが責任というよりも、喪失感のみを抱えているが。
が、その輪も、巫女という立場上、死は常に身近に感じる存在
であり、結局彼らは常に身辺に死の臭いを(意識せずとも)
纏っている。
そして、この物語のもう一人の、そして究極の主人公がミネルヴァ。
勿論その名前は人間が勝手に呼称したものであり、奴が本当は
何なのか、どこから生まれてきたのか? 何をしようとしている
のかは、誰にも判らない。
ただ、判っていることは、ミネルヴァの目で見られたものは、
必ず死ぬ、ということのみである。
#本作品のタイトルの邪眼は、ここに由来する。
そうした妖かしの存在である梟のミネルヴァを巡って、人間側の
四人の思いが交錯していく。
この物語には、大きく二つの僕を惹きつけて止まない魅力がある。
まず一つは、ミネルヴァ。
奴を、単なる化け物に貶めず、自然界に生きとし生ける生物の
一つ、というよりも、命あるもの全ての業を背負った生き物と
して描いているところが、まず凄い。
人によらず、何者も他者と本質的に分かり合えるということは
出来ない。
共感、愛情。
そうした思いで、相手を包む、あるいはシンクロ
することは合っても、それがどこまで本当に相手と通じ合えて
いるのか。
実は、判ったつもりでいるだけで、本当は全く異なる思いが
両者にはあるのではないのか?
特に、知性が他の生き物よりも発達した人間にとっては、
それが文字通り障壁となってしまう。
ニュータイプならぬ只の人にとっては、言い切ってしまえば
日々の暮らしは絶対的な孤独の中にあって、擬似コミュニケー
ションのみを他者との関係の拠り所として生きている、とも
言えるのだ。
#勿論、だからこそ、他者と分かり合おうとする思いは愛おしく、
そこに紡ぎ出される言葉は美しく、心に響く、とも言える
のであるが。
そして、その状況を極端にまで煮詰めた存在が、決して他者と
交わることを許されないミネルヴァなのだ、と思う。
奴は、どれほど孤独を感じ、仲間を欲していても、適うことは
ない。
なぜなら、奴が見つめた生き物は、すべからく死んでしまうの
だから。
それは、さながら触れたものを全て黄金に変えてしまう、ミダス
王の如き孤独である。
そんなミネルヴァが、最後に見つけたもの。
それは、石で出来た梟の飾り物。
偶然にも、奴と同じ大きさ、同じ顔を持つそれ、しかもそれは、
奴が見ても息絶えることなく、立ち続けるのだ。
それを見て、ミネルヴァがどれほどの喜びを感じたのか。
そのときの奴の心の振幅は、いかばかりのものだっただろう。
が、それは所詮、石。
動くこともなく、永劫に立ち尽くすのみ。
そんな石に縋らなければならなかったミネルヴァの心中を思うとき、
その孤独の深淵は想像を絶するものがある…。
次は、人間側の四人である。
この四人は、それぞれが身近な人の死を、そして更に多くの死を常に
纏っていることは既に書いた。
輪を除く三人は、ミネルヴァとの戦いの中で、実は自分こそが他者に
とってのミネルヴァだったと思い至る。
否、常に心の中にその思いは有り、ずっと彼らを鬱屈とさせていた
ものが、顕在化した、といった方がより適切だろう。
唯一、鵜平のみが以前からそのことを明晰に自覚しており、だからこそ
彼は、人里を離れた山中での暮らしを選んでいた。
もうこれ以上、自分が他者を死に追いやることが無いように。
それが、自分の娘(=輪)に誤解され続けることとなろうとも。
この鵜平の孤独の深淵もまた、深い。
しかも、それはミネルヴァと異なり、自ら選んだ孤独であるが故、
ある意味ミネルヴァよりも深い淵の底に、鵜平は立っている。
だが、そのことを是とし、誰にも胸中を語らずに立ち続ける彼の
矜持の格好よさ。
これが、この作品に僕が魅力を感じる二つ目である。
結局、それが人であれ、動物であれ、他者の死に対する畏敬の念を
もたぬ者達を集めたミネルヴァ掃討作戦はことごとく失敗する。
最後に、鵜平がミネルヴァに立ち向かったのは、別に壊滅的な打撃を
受けた東京のためでも、ましてや人類のためでもない。
自分の銃を笑わなかった唯一のアメリカ人、マイクのため。
そして何より、自分の娘 輪のため。
鵜平は、自分が大切だと実感できる存在のために、その命を賭けて
ミネルヴァと対峙する。
なぜ、あらゆるものを死に至らしめるミネルヴァの邪眼をして尚、
鵜平を殺すには至らしめなかったのか。
それは、鵜平には、常に自分が死をもたらす相手に対して、畏敬の
念を抱き、接する心構えが有ったこと。
そして極めつけは、鵜平には犬がいたこと。
この犬とは、単に狩のパートナーとしての犬、という意味ではない。
行動を共にし、辛苦を分かち合い、思いを同じくすることの出来る
仲間がいた、ということである。
それが、それこそが、鵜平と、常にその生涯が絶対弧の中にいた
ミネルヴァとの決定的な違いであり、鵜平に勝利をもたらした
ものなのだ。
#実際に、どのようにして鵜平が勝利するに至ったのかは、是非
ご自分の目で本作を読んで見て下さい!
必ず、お時間を損させはしません。
二人の対局の最後。
鵜平が乗った戦闘機ハリアーと正面から向き合ったミネルヴァは、
ハリアーのエアインテーク(空気取り入れ口)に、二つの巨大な
眼を見る。
超自然の力を持つ巫女・輪は、その末期のミネルヴァの気持ちと
シンクロし、自分へ襲い掛かるその眼に対するミネルヴァの恐怖を
感じることとなる。
だが僕は…。
作中には描かれてはいないが、そこにもしかしたら、ミネルヴァの
救いがあったのでは?とも思っている。
なぜなら、ミネルヴァは、そこで初めて自分と向き合っても命の
尽きることの無いものと向き合うことが出来、絶対的孤独から
解放されたのだから。
そうでなければ、ミネルヴァの人生が切な過ぎるではないか…?
最後に。
このように、僕にとっては魅力の尽きない本作品であるが、
それでも不満が無いことは無い。
例えば、狩のパートナーとしての犬の扱い。
もう少し、この犬をエピソードに絡ましてくれても良かったのでは?
と思っている。
もっとも、それでなくても予定の作画枚数を大幅に超過してしまい、
短期集中連載の回数を2回もオーバーしてしまったらしいから、
ひょっとしたら泣く泣くカットされてしまったのかも知れない。
あるいは、最後のシーンであった、次のエピソードへの引き。
これから展開される話の中で、また徐々に犬との話、鵜平の妻である
千恵子との出会いや日々の暮らし。
マイクやケビンの癒しと解放の
エピソード等も、徐々に語られると嬉しいなぁ。
もっとも、現在は「月光条例」に取り掛かったばかりの藤田先生。
ほぼ間違いなく連載が長期化する先生のこと。
しかも、本作品が描かれたのは、先の長編連載が終わった、いわば
先生の充電期間に描かれたものであるため、本作品の続編に出合える
のは、単純に考えれば後数年は先になるだろう。
今はただ、嘆息し、指折りしながら、そのときを待つのみである。
(付記1)
それにしても、鵜平。
彼のシルエットは、まるっきりパンタローネである(笑)。
思えばパンタローネも、シニカルで冷えた心を抱きながら、最後に
解放され、月輪のような笑顔を浮かべて逝った男であった。
合掌。
「うしおととら」「からくりサーカス」の長編のように、全ての伏線を回収して大団円、というのが好きらしい、とこの作品で気づきました。
だから短編では物足りないんだな…
★特になし。
全体的に梟の目が怖かった…
でもフヂタ節は掠れるどころかますます濃くなっておられる… いっそこのまま青年誌に移行しちゃいませんかフヂタ先生(期待に満ちたマナザシで)
やはり先生の作品はおもしろい。
本作品でも魅力的な人物・妖怪(?)が登場している。
泣かせるような切ないエピソードみたいなのが凄いさり気なく入っててねー
不意に来るからウルっとくるよ。
ミネルヴァタソ・・・・
あと、この親子関係もなかなか私的にツボでしたよ。
少年漫画界に藤田和日郎が居て本当良かった!
青年漫画でも普通にやっていけると思いますが、その情熱、その泥臭さ、その愚直さは少年漫画界で末永く発揮して欲しいものです。
ウヘイが輪にはめっぽう弱い所が善い。
少年漫画らしい、よく藤田さんの短編とかにあるノリです。
うしとらともちょっと近い、かな。
藤田さんの話だから、もちろん読み応えもあるし買って損したって感じではないんですが、私はあんまり好みじゃありません。
しかし、ミネルヴァも、悲惨なほど可哀想ですね。
だって、そう生まれついただけなんですから。
だからこそ、ミネルヴァを撃つことができるのは、そのことを理解しているウヘイだけだったのだろうと思います。
なんか、小学生ぐらいの感想のようだな。
いつもか。
“ミネルヴァに見られたものは皆死ぬ”
あのフクロウはこの漫画の子だったのか!
(◎,◎)
ミネルヴァが可愛すぎる・・・や、すごい顔してますけど、見慣れると可愛いとか思っちゃう・・・のは僕だけではないはず・・・ たぶん・・・
1冊とは思えないボリュームすばらしいです。
主人公は仙人と呼ばれる猟師。
見たもの全て殺す邪眼をもつフクロウを討ち取ろうとして元妻を失う。
そのフクロウは米国に輸送され生物兵器「ミネルヴァ」として捕獲されるが、敵国へ送り込む途中で逃げ出し日本に戻ってくる。
70歳の老人が主人公なんですが、すごいカッコいい。
タフだけど不器用。
義理の娘の輪の言うことしか聞かない。
邪眼のフクロウもただの化け物としてではない側面を持っていて最終決戦場面で泣いた。
喫茶店で読んでいたので不審者みたいになった。
己を殺し他者を救おうとする男の強さはスプリンガルドと似ている。
でもまた違った良さのある話でした。
読み返しても泣いちゃう。
1冊完結とはいえ、ちょっとした漫画5冊読んだようなくらいの厚みがあって、読み応えありまくり。
ふりがなは月輪(がちりん)。
『うしおととら』『からくりサーカス』に続く短期連載、一巻七話。
見るだけで生物を殺す邪眼のフクロウと老マタギの戦い。
随所に溢れる『うしおととら』を髣髴とさせる藤田節。
漲って当然。
目が正面にあるフクロウは人間っぽいなと改めて思いました。
『うしおととら』に比べて
と比べられる比べること可な後続作であると看做せるのが残念
全部オススメ!
迫力ある画がカッコイイです。
少年マンガの登場人物がそのまま大人に置き変わったみたいで、素直に読めています。
絵はちょっと苦手な感じだけど、話はなかなかおもしろかった。
人物の過去や、事情などが丁寧に描かれているのも好印象。
07/05/14
『からくり』よりも『うしとら』に気持ちが近いかもしれません。
「うしおととら」「からくりサーカス」が知られる藤田和日郎先生の描く、珍しく1巻のみで完結の作品(その気になればシリーズ化できそうではある)。
その目で見られたものはすべて死んでしまうという1羽の恐ろしいフクロウが、東京湾で座礁した米軍空母から逃げ出した。
そのフクロウ、コードネーム「ミネルヴァ」は都内を飛翔し、空前絶後の死者を出す。
かつてそのフクロウを一度は撃ち落とした漁師・鵜平は、米軍の要請を受けて銃をとるが…。
作品としての分厚さ、迫力は「白鯨」や「老人と海」「羆嵐」といった作品(どれも小説だけど)に劣らないすさまじさ。
すべてを捨ててフクロウに挑む者たちの戦いは、漫画らしい荒唐無稽さでありながら、リアルです。
そしてまた、「ミネルヴァ」もまた、凶悪なだけの敵キャラではないところが良いですね。
読む人を選ぶクセのある画なれど、一読してほしい怪作。
何故か。
からくりサーカスもうしおととらも長過ぎて読んだ事なかったんですけど、この一冊に見事に射抜かれました。
おじちゃん強ぇ!
ふくろう怖ぇ!
敵を含めて全てのキャラクターに愛が篭っている!
相変わらずのジュビロ節。
熱くて濃い一冊です。
色々な人物が、対になる状況で関わりあってるお話。
全一巻というのは初なのでは?
藤田さんの作品はとってもスピード感があり、一気に読んでしまいます。
殺●シーンはグロいけど・・・。