漫画家への道を決めた、あの運命の一年。
『Gu-Guガンモ』『さすがの猿飛』『ギャラリーフェイク』の細野不二彦が初めて描いた、若き日の親友、家族、恩人、そして自分自身。
1978年、東京の有名私立大学に通う、細納(サイノ)青年と仲間たち。
彼らは、のちに漫画家やアニメーターとして大活躍する才能の持ち主だが、その頃はただ、マニアックな学生生活を謳歌する若者たちだった。
時代は日本のサブカルチャーが勃興する70年代後半。
アルコール依存症の父、障がいを持つ弟、複雑な家庭環境の中、細納青年は、悩み迷いながらも、自ら漫画家の道を歩き始める。
高千穂 遙 氏(スタジオぬえ)推薦!
「事実と虚構を巧みに交錯させて、人生の物語を紡ぎだす。
この才能をデビューへと導くことができた。
それを誇りたい。
」
1978年のまんが虫

コメント
1978年のまんが虫 (ビッグコミックス)
ステレオタイプな苦労話ではなく、主人公の才能も経歴も人脈も一見華々しすぎるぐらいに華やかで、得られたチャンスも努力でしっかりモノにしているのに、彼の家庭の事情や、「人の命」に関するとある出来事が心に深く影を落としていて、そのことがこの物語全体に独特のトーンを作り出しています。
1978年当時の「スタジオぬえ」の雰囲気が活写されており、そういった意味でも興味深い作品です。
どこかのラブリーエンジェルで見かけたようなお二人も登場します。
ところで自分はこれを読むまで美樹本先生と細野先生の関係性を知らなかったので、あとがきを読んでから再度読み返して「こんな星の巡り合わせがあって良いのか」と思いました。
なお、これから読まれる方は、カバーもぜひ外してチェックされることをお勧めします。
1978年のまんが虫 (ビッグコミックス)
買ってよかった。
続きが読みたい!
まさか永井豪のファンだとは思わなかった!
80点
1978年のまんが虫 (ビッグコミックス)
細野不二彦というと、自分の中では神風の術「さすがの猿飛」の人です。
アニメで知りました。
ドタバタコメディの印象が強くて「ギャラリーフェイク」書いている人と同一人物と知ったときには驚いたものです。
80年代SFブーム、80年代ロボットアニメ。
令和の今にも影響を与える漫画やアニメが生まれた時代を、先駆者でなく当事者として駆け抜けてきた人たちの青春群像劇になるのかな。
一つの時代の記録として楽しみです。
知らないことが多いですけどね、この時代のサブカル。
いや、90年代も00年代も、どの時代であっても自分が興味持ったこと以外は詳しくないのですが、時代の空気を知る一助になればいいな、と思います。
そこから新たな分野へ食指が伸びればいいじゃないか。